ITの進化でなくなるパチンコ業界の仕事は?~2~
2014.12.13| 高木 (システムコンサルタント)
前回に続いて、IT進化でなくなるパチンコ業界の仕事、パチンコ店の代表的な仕事「ホール業務」について書いてみます。
(前回のコラムを見られていない方は、こちらから見てください。)
パチンコ店のホール業務は100%同じ店はありません。チェーン店でも違います。
地域、規模、客数、稼働、立地など、同じ店が1つとしてないためです。
わかっていることをいちいち書くな!!と思った方…すいません。
書かずにいられない、我慢できない性質で生まれてしまいまして…
我慢できたら、今も大手メーカーでヌクヌクと生活できてたと思います。
※ちなみに…クビになったわけではないですよ※
少々脱線しましたが、代表的なホール業務を上げてみます。
- 不正監視
- 遊技台のトラブル対応(アウト詰りやセーフ異常など)
- 玉箱の積み下ろし
- 玉箱の計数(計数機への玉の流し、データ確認、発券処理など)
- 空き台の整理(簡単な清掃や一定時間を経過した台の解放など)
- 開店、閉店時の並びの交通整理
ザッとこんなところだと思います。
どうでしょうか?人がやらなくてもいい仕事ありませんか?
では、1つずつ考えていきたいと思います。
【不正監視】
遊技客の不正を監視することなのですが、防犯カメラが相当すごいですからね~顔認証の認証率も相当高くなっていますし、そういう意味では、ホールコンピューター、防犯カメラシステムで不正監視はできるので、ホール業務ではなく、事務所側の業務でしょうね~。
事務所側だから、不正監視に関して、ホールスタッフは不要か?というと違います。
ドラマ「踊る大捜査線」にもありましたが、事件は現場で起きるわけです。すぐに対処できる現場の人間は少なくとも必要ではあると思います。
【玉箱の積み下ろし】
パーソナルシステムがこの部分を担っています。
ただ、まだパチンコ限定というイメージです。
パチスロのパーソナルシステムもいろいろと提案されてはいますが、今のところ、まだ店で見る機会はないですね。
箱の大きさ、パチスロユーザが自ら箱にコインを詰める満足感が広まらない要因の1つですかね。
カチ盛りが好きなスロッター多いです。なぜか優越感に浸れるんですよね~コインを詰めているときに。
【計数時のデータ確認】
計数時にホールコンピューターとデータ照合している店舗もあります。
なぜ照合するか?不正防止のためです。
計数の照合作業に関しては、顔認証システムの進化とホールコンピューターの連動により、完璧にIT化することが可能です。
そのうち、計数機(のあたり)で、顔認証し、その人物の状態と計数状態をホールコンピューターが照合し、アラートを上げるだけというガソリンスタンドではないですが、セルフ計数という時代になってくるかもですね~。
イチイチ計数でスタッフ呼ぶの面倒に思うことありますし。
とはいえ、完全にスタッフが不要かというと違います。
計数時にアラートが出た場合、スムーズに事情聴取するには不正監視同様、その人物の身柄を拘束する必要が出てきます。
現場には、最低でも青島刑事が1人は必要です。
【空き台の整理】
リアルな台の清掃という部分を除けば、全てホールコンピューター、ランプ、その他機器の連動で事足ります。
ただ、リアルな台の清掃(タバコの灰や缶などのゴミ等の回収)だけは、必要になりますが、ホール業務として考えず、清掃スタッフの業務という考えでいいように思います。
【開店、閉店の並びの交通整理】
ホール業務でこれだけは、IT進化でもなくせないんじゃないでしょうか?
店舗によって並ばせる場所、スペースもバラバラですし、システム化するのはここは厳しいですね。
人で回した方が確実に安価です。
イレギュラーが多い場合にシステム化するのは、かなりの金額になってしまうので、なかなか商売にならないと思います。
開発するとなれば、並ばせ方も含めてパッケージ化したシステムという方法ですかね~
作れるか作れないかでいえば、作れるとは思いますが…
考えれば考えるほど、現実的ではないですね。
ざっくりまとめます!!
ホール業務は、ITの進化によって、格段に少なくなります。
数字にすると90%は不要にできるのではないでしょうか。
ホール業務で1日50名の店舗は、5名程度で営業するというパチンコ店が未来では当たり前になっているかもしれません。
人件費で単純計算すると…仮に時給1,500円/スタッフとすると、45名分カットとなるため、67,500円/日の削減。
1カ月(30日として)では、2,025,000円/月の削減。1年では、24,300,000円/年の削減になります。
金額でみるとゴッツイ人件費削減ですね~。
人件費削減と設備投資費のバランス、人を減らしたことによるサービス、稼働への影響を注視しながら、徐々に進めていく必要がありますね。
スタッフの少ない店舗をパチンコファンがどう受け止めるか?ということになりますが、スタッフがなかなか集まらない、続かない現状を考えるとIT化に向かうのは、店舗経営としてやらざる得ない。という時代が来てしまうかもしれませんね。
今以上にスタッフにいろいろなスキルが求められ、業務の割振りが今以上に複雑になっていくように思います。
次回は、「カウンター業務」について、書かせてもらいたいと思います!!
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高木 (システムコンサルタント)
某大手パチンコ設備メーカー企画開発に13年勤務。台、景品、顧客などのパチンコ設備全般の企画開発を担当した後、各企業の抱える問題をシステム面から改善するシステムコンサルタントとして独立。 社内体制の問題点を見つけ、それを解決するその企業に一番いいシステムを提案!社内ルールの変更など、社内体制再構築もシステムコンサルタントとして力を入れています。 |
【パチンコシステム/経費削減/業界情報】
前職の経験を生かし、システムコンサルタントとして、パチンコ業界に関わる高木が、パチンコシステム、経費削減、業界ニュースを独自の視点で分析。パチンコシステムの今後や現状の問題、業界情報など、少し為になるかもしれないコラム。